可愛くない




今、私にはとても悩んでいる事があります。
それは、あまりにも自分が可愛くないから。
容姿ではなく、性格です。
あんなに自分に素直になれて甘えられたら…

はぁ…、と肩を落とし深く溜め息を落とす。
視線の先には仲良くじゃれ合う二人の姿。


「幸村〜!離せってばぁ」

「………はぁ」


本日何度目か分からない溜め息を着くと、
抱き締める腕を緩めて幸村さんがこちらを向いて方頬をつり上げて笑う。


「アキラさんってば、そんなに溜め息着いてたら幸せ逃げちゃうよ?」


ただでさえ幸薄いのに、と付け加えるのも忘れなかった。
なんともふてぶてしい態度である。


「‥ふん。私が溜め息着こうか着かまいが私の勝手じゃないですか」


この人信長の事件の事根に持っていますね。
サスケ君には甘々のくせに嫌味ったらしい…!


「アキラさんってば可愛くな〜い。サスケはこんなに可愛いのに、ねぇv」


…ねぇvって!!
あなた、馬鹿にしてんですか!?
と刀を抜いて氷漬けにしてやりたい気持ちを抑えて鼻で笑ってやった。


「‥ふんッ可愛くなくて結構!!さっきからあなた達五月蠅いんですよ!」


そう言い放つと身を翻して歩き出す。
…可愛くなくたって‥あなた達に関係ないじゃないですか…
私にはどうでも良い事じゃないんですか?
私は漢として強ければ…良いんですよ。
強ければ…





「………」


足取りが重い。
行くところなんか無いのに…私の足はどこに向かっているのだろうか‥


「アキラッ!!」


いきなり呼び止められて、驚いて振返ると息を切らしたサスケ君が居た。
こんな考え込んでいる時に声を掛けられなければすぐにサスケ君だと分かって振返らなかったのに…
私ももまだまだですね‥。


「…何か御用ですか?」


冷たい瞳で見据える。
小さくあの…さ、と声を上げた。
今一番聞きたくない声。
この人が羨ましいなんて思いたくも、思われたくない…


「‥悪かったな‥幸村が…」

「気にしないで下さい。私も大人気なくてすいませんでした」



だから早く目の前から居なくなって下さい。


「あ、おいアキラー!!!」


呼び止める声を無視して先程よりも歩く早さをあげた。
・・最悪だ。
サスケ君は悪くないのに怒りを当り散らして。
自分のこんなところが嫌だと考えていたのに、どうして繰り返してしまうのだろうか?
素直になりたい…


『アキラ‥可愛くない』



また頭に蘇る彼の言葉が…
素直になれない自分のせいで怒らせてしまった。


「うっ…ふ‥‥ほたるぅ‥」


嫌いにならないで。
素直になる様に頑張るから…離れないで
側に居て…
こんなに自分が彼に翻弄されているだなんて思いたくない。
なのに、ほたるの言葉一つでこんなに傷ついている自分が居る。
素直になれたら、・・もっと素直だったらほたるは自分を嫌いにはならなかったのだろうか…。


涙が浮かんではぽろぽろ涙が頬を伝って落ちていく。
涙の数は後悔の数…

私はどのくらい後悔すれば素直になれるのだろうか…


「ほたる…ご‥め…」

「‥うん、いいよ」


…はっ?
――この声って!!!?


「‥ほ。ほたるっ!?」

「……?アキラ何で泣いてるの?」


ちゅっと瞳に浮かぶ涙を舐めとると首を傾げた。


「なっ…///」


ズザッと飛ぶ様に逃げる。
何でほたるが…?
ほたるが……

腹の底から腹が煮えくり返る。
そして、私の中で何かが音を立てて切れた。


「何しに来たんだよ!!この、馬鹿ほたるッ!」


『アキラ、可愛くない』

って言ったくせにっ!
オレの事なんか嫌いになったなんだろ?
なのに何で優しくするんだよ!


「…うっく…可愛くないって言った‥のに!」


どんっと、胸を叩いたと同時にぶわぁっと涙が溢れ出る。
この世に生を受けてからこんなに泣いた事はない。
こんなに自分が泣いているほたるはケロリと、


「…言ったっけ?」


等といいやがった。
思わず握り拳を握って反論する。


「言った!!嫌いになったんでしょ?」

「何で?」

「私が…素直で可愛くないから」


ぐっと噛を締めて涙を堪える。
堪えてもまだ涙が頬を伝う。


「‥んと、可愛くない所が可愛いと思う」


ぽん、と私の頭に手を乗せて優しく撫でた。
そしてまた、涙を拭う。


「意味が分かりません!」

「アキラの一番可愛い所は意地を張ってる所だと思うよ。
 可愛いくないは‥可愛いって事??」


ほたるの割には言葉を選んだつもりなのか、文章がぐちゃぐちゃになっていた。
そして当のほたるも途中で意味が分からなくなっている。
でも、そんな彼の言葉がとても嬉しかった。
意味はよく分からなかったけど...
だから、自分でも見た事がない様な顔で微笑んで見せた。


「有難う‥ほたる」

「可愛いね、アキラ…」


「………ッ!!?」


何でこう言う時に言うのか…。
おかげで止まった涙がまた涙が溢れてきてしまった。
いつからかな‥こんなに弱くなったのか…。
ほたるを‥好きになってからよく泣く様になった気がする。

でも。
こんな自分嫌いじゃないから不思議だ。

弱い自分が嫌いだったのに…
こんなに自分を変えたほたるは影響があったんだ…


「…何?」

「何でもないですよ」


なんて事は腹が立ちますから絶対言ってやりません。
あなたが良いと言った。『可愛くない』アキラですから





     <<終>>





----------------------------------------------------------------------------------

久し振りのKYO小説が更新しました〜!!!
良かった…最近、ホントに更新していなかったので…(安堵)
これはお題の「可愛くない」から書きました。
可愛くない、と言えばアキラ!!
アキラ〜vv大好きだぁ〜
まだ、ほたるの性格を掴めてなくて似非になってしまってすいません...
話もぐちゃぐちゃに…ほたる難しいー!!
って、それ以前の話ですね、出直してきます(笑)

さてさて。
次は何書こうかなぁ〜



2004/11/10




 
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送